GUEST   ようこそ ゲスト さん サイト内検索 

開発  第9回  2009年06月16日

第1期を総括する開発コミュティ交流会を開催

〜さまざまなデモやビジネスアイデアが登場〜

株式会社 情報通信総合研究所(磯崎 恵一)

 NGNの利用を技術的側面から検討する次世代サービス共創フォーラムの「開発コミュニティ」。オンライン上での議論にとどまらず、「さらに深い議論」を目指すために4月からスタートした交流会は、先般開催された6月1日の交流会で第1期を終了しました。
 「NGNを利用するには何が問題になるのか?」「アプリケーションソフトを簡単に作るには?」「NGNの魅力を最大限に引き出すには?」・・・。フォーラムの中で開催されている他のコミュニティにない「技術者目線のNGN」をベースに、活発な議論が展開された開発コミュニティ。今回、6月1日の交流会を聴講させていただく機会がありましたので、これまでの振り返りを含めて、交流会の模様をお伝えしていきましょう。

徐々に高まるNGNへの関心

 第1回交流会は、会場にお集まりいただいた技術者の方の多くが、「NGNって言葉は知っているが・・・」といった思いもあるのか、不安気な表情だったことが印象的でした。そのような中で始まった交流会でしたが、NTTからNGNの概要、サービスメニュー、構成する技術などの説明が一通り終了すると、技術者の方の集まりだけあって、すぐに専門的なやり取りがスタート。NGN向けのアプリケーションを簡単に作成できるソフトフロント社の開発キットの説明に、さかんにメモを取る姿も見られました。
 続く第2回交流会は、前回、概要説明で終わったソフトフロント社の開発キットのデモンストレーションからスタート。同社の担当の方が、約15分という短時間でNGN向けのアプリケーションを完成させたこともあって、参加者の皆さんの間でも開発キットの形が鮮明になってきたようで、活発な議論が交わされるようになったのが記憶に新しいところです。

第3回交流会がいよいよスタート

 さて、振り返りが長くなってしまいましたが、6月1日の交流会には、前回までと同様、アプリケーション開発などを行っている企業の開発担当者の皆さま、NTT東日本、NTT西日本のNGN担当者、NTT研究所の開発者、フォーラム事務局のNTT関係者など総勢35人が参加。冒頭、NGNの品質など技術仕様についての確認が行われたのに続いて、製品化が完了したソフトフロント社のNGNアプリケーション開発キット「SUPREE Vision Premier」で作られたさまざまなNGNアプリケーションの試作品が紹介されました。

 一部をご紹介すると、NTTコムウェアからは、ビデオ通話を利用した遠隔地ヘルスケア向けのアプリケーションと、通話音声を音声認識し、希望のサイトをブラウジングするアプリケーションが、イリイからは、CTI(Computer Telephony Integration)と連動させるアプリケーションがそれぞれ紹介されたほか、日本IBMからは、グループウェアにビデオ通話を組み込むまでの様子が紹介され、それぞれ参加者の関心を集めていました。
 各デモンストレーションを見ている参加者の関心は、もちろん各アプリケーションが「NGNをどのように利用しているか」といった発想面ももちろんですが、特に驚きがあったのが「2つのアプリケーションを作ったが、それでも4日ぐらいで完成」(NTTコムウェア)、「ビデオ通話を組み込んだが、5日ぐらいで終了した」(日本IBM)という完成までに費やす日数の少なさでした。
 正直、私自身、開発コミュニティをはじめ、さまざまなコミュニティの議論を聴講してきて、NGNといえば「難解で扱いにくいもの」というイメージが常に頭の片隅にありました。しかし、一連のデモンストレーションを見終わったときに、「自分の思い込み」と「見せられた現実」のあまりのギャップに戸惑いを隠せないほどでした。

 交流会の盛り上がりもピークに達したところで一旦休憩。後半に入ると、各社からNGNに関するビジネスアイデアの発表がありました。それでは各社から出されたアイデアのエッセンスの一部をご紹介しましょう(順不同)。

【株式会社アイソルート】
 公共性の仮説を立て、安心感を与えられるとの観点からNGN網を利用したサービスの提供主体を地方自治体と設定。NGNの特徴である高画質、高セキュリティなどの機能を生かし独居家庭などの状況把握や、行政サービスの告知、地域民間事業体のサービス提供のサポートなどに利用する。

【コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社】
 NGN対応電話端末にvCard(※)対応機能を実装。相手の了承を得た場合に、自身の名刺データを相手側端末にワンボタンで送信。その他NGN対応電話端末にさまざまな機能を付加することで名刺のやり取りのほか、スケジュールデータの交換、アンケートデータの収集に利用する。

【株式会社クラウド・スコープ・テクノロジーズ】
 映像配信サーバで利用する映像帯域のマージンを制御することで、映像帯域確保の品質状況を確認できるIP映像配信システムを提供する。映像コンテンツを配信する側と、映像を視聴するユーザ側が、配信する映像コンテンツには手を入れずにNGNの品質を確認できるのが特徴。

【株式会社デジタル・ナレッジ】
 NGNを利用したeラーニングを提案。メンターとのテレビ電話を利用した相談や高品質の映像を複数チャンネルに同時にライブ(生中継)で複数拠点に配信を目指す。

【株式会社野村総合研究所】
 お客さまサポートなどを行うコンタクトセンターでのNGN利用を提案。高品質で高セキュリティなビデオ電話と組み合わせながら対応する「ビデオコンタクトセンター」を提供していく。

 ※.電子名刺の標準フォーマットの1つ

期待高まる第2期の交流会

 各社からビジネスアイデアの発表が終わったところで、時計を見ると交流会もそろそろ終了時間間近。
 熱心に各社のビジネスアイデアを聞いていた司会進行役の慶応大学小川教授は「医療、自治体、名刺交換などNGNと組み合わせた非常に面白いアイデアがたくさん出てきた。今後、さらにソフトフロント社の開発キットやNGN、またコミュニティをよりよいものにしていくために、ぜひ意見を聞かせていただきたい」と発言。参加者からは、「NGNのラボ的なものを作って、そこで制作したアプリケーションを公開し、広く使ってもらったらどうか」「アプリケーションを作るためにも、もっとNGNを体感できる仕組みを作るべきではないか」といった技術系ならではの意見が多く出されていました。
 各回の開発コミュティ交流会を聴講させていただいて、「わずか3回で何か出てくるのだろうか?」と正直半信半疑でしたが、終わってみれば、NGN基礎固めを終えた2回目から、参加者の皆さまのNGNに対する理解度は飛躍的に向上。NGNに関する全く新しい視点や考え方を教えられた刺激的な交流会でした。

 聞くところによれば、開発コミュニティ交流会の第2期も企画中のこと。そこでは、さらに突っ込んだ議論を期待したいと思っています。

 本コミュニティ交流会に関するご質問などは、「お問い合わせ」フォームからお願いいたします。