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セミナーレポート

ワークショップレポート

 

ワークショップ 第44回

2009年07月10日(金)15:00〜16:30
会場:アーバンネット日本橋ビル(東京・日本橋人形町)

「クラウド
それは、2010年以降のIT利用モデル」

講師:小池良次(在米ITジャーナリスト)

 
 

 クラウド・コンピューティングのブームが加熱している。ワークショップ第44回は、在米ITジャーナリストの小池良次氏が、このクラウド・コンピューティングがアメリカでどのように捉えられ、主要プレーヤーたちはどこへ行こうとしているか、などについて紹介した。

本格的な企業導入に向けた模索が始まる

小池良次氏

 現在のクラウドブームは、70〜80年代のパソコンブームを彷彿させる過熱ぶりだ。パソコンの登場によってコンピュータが個人で利用できるものに大きく変貌したように、クラウドの登場によって今度は脱パソコンへと時代が変わる。つまり、ゲームのルール自体が変化した。
 クラウドは、従来のユーティリティ・コンピューティングやオンデマンド・コンピューティングと何が違うのか。ポイントは脱パソコンである。端末がパソコンに限らず、携帯やパームトップ、テレビ、デジカメなど、非常に多様化する。そして、サーバ側への「超集約」と端末の「超分散」が起きる。またクラウドは、通信とアプリケーションの融合であり、うまく機能させるためには、通信がしっかりしている必要がある。
 クラウドが登場した当初は大いにもてはやされたが、ここにきて投資対効果や信頼性、情報の保護など、いくつかの面で懸念が語られている。しかしながら、それは逆に言えば企業が本気でクラウド導入を進めようとしているからである。クラウド自体に対する否定的な論調はほとんどなく、現在問題を洗い出し、その解決策を探っている状態だ。
 主要プレーヤーの動向をみると、たとえばアマゾン・ウェブ・サービス社は現在、親会社アマゾンのネット販売よりもトラフィックが大きくなっており、個人零細から中堅企業へとユーザが拡大するにつれ、本格的なホスティングサービスが求められている。もともと電子小売システムの余剰パワーを有効活用するために個人に貸し出すモデルだったが、人気が沸騰し、要求が増え、サービス開発に苦しんでいる状態だ。アメリカでは、システムインテグレーターが自社でホスティングしている大手クライアントをクラウド環境に移行する動きが始まっている。
 一方、グーグルが最近発表したGoogle Waveは、アメリカで非常に注目されている。画面を共有しながらコミュニケーションがとれるツールで、誰かが入力中の文字をリアルタイムに全員で見て編集でき、マッシュアップでゲームや地図など、いろいろなアプリケーションをそれぞれの画面で同時に利用できる。これはクラウド時代の生産性向上ツールであり、クラウド時代の本質を突いている。これまで、インターネットとWeb2.0によって蓄積された情報(知識)を使いこなすためのツールが、検索エンジンくらいしかなかった。Google Waveはこれを打開し、違う世界に導こうとしている。
 反面、こういったツールは制御が難しく、情報システム部門としてはファイアウォールのポートを閉じたいかもしれない。しかし、こういったツールを活用することが、競争に勝ち抜くためには必要だ。そのためには、通信機能の中でアプリケーションレベルの高度なポリシー制御が求められる。クラウドは、「通信とアプリケーションの融合」でもあり、うまく機能させるためには、通信環境をしっかり整備することなしには、クラウド時代は到来しない。

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